日本人幼児とみた目の差がほとんどない大毅(仮名)の場合、保育園では中国語を話さず片言の日本語を話していたため、大毅(仮名)と日本人幼児との差はみえにくかった。こうした事情も手伝って、日本人幼児たちは、「大毅(仮名)ちゃんはことばがわからない」ことを忘れけじめ、大毅(仮名)を自分たちと同じ経験や同等の言語技能をもつ子どもとしてみるようになったのではないだろうか(実際には、大毅(仮名)は中国語でも日本語でも十分に自己表現できない「一時的セミリンガル」の状態にあったと思われる)。和彦(仮名)と猛(仮名)は、保育士や大毅(仮名)自身から大毅(仮名)についての情報を十分に提供されることもなく、「オモチャを順番に使えない」という大毅(仮名)の外的行為から大毅(仮名)の内的特性についての推論をしていたものと思われる。他者理解・他者への共感は、幼児が仲間関係を形成し育てていくうえで不可欠な条件であるが、その発達が仲間との交渉のなかで促進されるという性質をもつ。このため、幼児は仲間関係を形成する過程で、他者への誤解・無理解・共感の欠如など問題をもつ相互交渉を経験せざるをえない(斉藤他、1986)。同じ文化的背景をもち同し言語を話す幼児同士の場合は、こうした問題を含んだ仲間との相互交渉の経験は、幼児の他者理解・共感の発達を促す原動力となるだろう。しかしながら、文化的背景や言語を共有しない場合には、幼児同士の相互理解に役立つような情報を提供するなど、保育士の適切な支援が必要になると思われる。
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保育士・幼稚園教諭の専門学校|三田のセイトク 聖徳大学幼児教育専門学校
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