皮膚のいちばん外側には、角質層と呼ばれる透明な層があります。この角質層にどのくらいの水分が保たれているかが、肌のハリやみずみずしさに大きく関係しています。角質層は、約4週間の周期で、下からできてくる新しい角質層に生まれ変わっています。これが「ターンオーバー」と呼ばれる肌のいちばん外側の新陳代謝です。古くなって水分量も低下した角質層は脱落して、いわゆる「垢」となって落ちていくのです。中高年になって細胞の活性が低下し、肌の新陳代謝も衰えると、ターンオーバーの周期も遅れがちになり、古い角質層がなかなか立ち退きません。しかも血液循環も悪くなっているので、中高年の肌はカサカサになって乾き気味になっていきます。冬の乾燥した時期に、入浴前に下着を脱ぐと跡がくっきり出ていて、しかもそこがかゆくて仕方がないという場合には、肌の老化はかなり進んでいるといえるでしょう。顔では、小ジワがたくさんできはじめている段階かもしれません。また、ニキビや傷などがある場合には、表面に炎症によってできた細胞のなきがらが残脂7つていて、それが治癒を遅くしてしまうこともあります。このようなことから、部分的に表皮をはぎとってしまう「ケミカルピーリング」が行われています。これも、「CO2テラピー」との併用が効果的です。――ケミカルピーリングでも、「CO2テラピー」を併用しているそうですね。「はい。ケミカルピーリングは現在、美容皮膚科では欠かせない治療法となっていますが、そもそも表皮をはいでしまうわけですから、一時的に肌は一定のダメージを受けることになります。傷になるわけですね。CO2ジェルはもともと床ずれなどの創傷の治療のために開発されたもので、その効果も多くの医師によって確認されておりますから、皮膚の傷の治りを早くしてくれます。当クリニックでは、『CO2テラピー』を実践している経験を生かして、原則的にすべてのケミカルピーリングのあとでCO2ジェルを適応しています」――実際に、CO2ジェルを使うと治癒は早まりますか?「表皮のダメージが早く修復されるのは、明らかですね。治り方が早いのは肌にとっても非常によいことで、『CO2テラピー』のおかげでよりケミカルピーリングの効果も上がっています。それから、いままでのケミカルピーリングではなかったような肌の若返りも同時に得られるので、まさに一石二鳥ですね」『メディオン美容皮膚クリニック』はまだ開設したばかりですが、これまでの実績だけでも、CO2ジェルが実際の美容クリニックの現場で予想以上の効果をもたらしていることがわかります。これまではレーザー治療の補助的な活用にとどまっていましたが、さらに顔やせ(小顔)、顔のひきしめ、美白、シミやシワの除去といった、肌の若返りなどなど、個々の目的に応じてCO2テラピーが実践に使われていくことでしょう。すばらしい作用をもつものの扱いにくかった二酸化炭素を、ジェルに閉じ込めたという、単純ではありますが画期的な「CO2ジェル」。可能性はまだまだこれからも大きく広がっていくことと思います。多くの医師がCO2ジェルを患者さんに応用していくなかで、そのヒントはさまざまに与えられていくに違いありません。その現場での貴重な声をフィードバックして新たな「ドクターズ・コスメ」を開発することは、私たちの大きな課題であると感じています。そのためにも、より多くの医師のご協力をあおぐことができるよう願っております。
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