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寄り合い所帯型ネットワークゆえの問題が勃発

ただ、この問題は比較的早い時期(2006年春くらい)にいったん沈静化しました。USENの宇野康秀社長が、名指しの「ただ乗り」呼ばわりに激怒したため、NTT側も矛を収めざるを得なかったようです。USEN側としては怒るのも当然です。彼らは自分たちが直接接続している複数の通信事業者に毎月多額のネットワーク料金(一説には数千万円)を支払っているわけですから、ただ乗りと言われる筋合いはないということでしょう。では、なぜNTTはギャオをやり玉にあげたのでしょうか。この議論を理解するためには、現在のネットの仕組みを知る必要があります。ネットは、通信事業者やプロバイダーのネットワークが、ピアリング(個別相互接続)、トランシット(中継接続)、IX接続(公共相互接続)などの方法で網の目にようにつながることで形成されています。いうなれば、ネットワーク全体を管理する機関や団体が存在しない、自立したネットワークの寄り合い所帯のようなイメージです。大量のトラフィックを送り出すギャオは、契約(接続)する通信事業者にそれに見合った料金を払うことで、ネットワークコストを負担しています。しかし、ギャオの視聴者は、いろいろなプロバイダーに分散してぶら下がっています。そうなると、ギャオの映像データは、場合によっては複数の事業者のネットワークを経由して末端の視聴者に運ばれることになります。ギャオと直接関係していない事業者は、ギャオに料金を請求できないにもかかわらず、自社ユーザー(ギャオの視聴者)のために大量の動画データを流さなくてはなりません。そして、そのトラフィック量が増加してくると、他の通信への影響を抑えるために、機器や回線を増強するなどのコスト負担を強いられることにもなります。これが「ギャオはわれわれのインフラにただ乗りして、ビジネスをしている」という不満の根源になっている部分なのです。
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