三井不動産の会員組織「こんにちはサークル」は、その会員数が約二〇万人といわれている。三井不動産が他の不動産会社とちがうのは、その人たちに惜しげもなく投資していることだ。各会員には「こんにちは」という会員誌が無料で配付されるのだが、会員誌そのものに見るからにカネがかかっている。そもそも会員誌の配付が毎月という不動産会社自体、三井不動産とリクルートコスモス、それに藤和不動産くらいではないだろうか。立派な装丁の会員誌が毎月二〇万冊、無料で配付されるのかと考えると、その努力には頭が下がるばかりだ。書店にあふれる月刊雑誌の中でも、毎月コンスタントに二〇万冊売れるものは、そうはないはずだ。もちろん、二〇万人がすべて三井不動産の顧客になるとはとうてい思えないのだが、将来にわたって「三井不動産のマンションは実績があって安心」というイメージを広く世間に浸透させるための、いわば先行投資なのだろう。